固形墨を液体墨に変え変幻自在の液体にする。硯の面に水滴を垂らして墨を磨る。これが墨と硯の係わりです。硯の面は、やすりの役割を果たしそれにより墨が液体化し書字媒体となり液体化した墨は貯えるための「海」も硯の機能の一つです。

硯は主に唐硯で「端渓硯」が有名-

国内では硯の90%の生産を抱える宮城県産「雄勝硯」(おがつすずり)が最も有名-かの伊達政宗公も愛用されたとか ― 

 

雄勝硯は東日本大震災で生産者が甚大な被害に遭いましたが、関係者、ボランティアの方々の甚大なる支えのもと復興にむけて奮起されております。

 

墨と硯の摩擦は黒色の冴えに大きく影響を及ぼす。

力を入れずゆっくりと磨ることが最も大切です。この墨と硯による磨墨行為は字を書く段階からすれば準備的なものにすぎないが、何かを書こうとする思考を深める一面を持つ。実はこの「時間」と「行為」が「書を育み」「書に育む」という重要な要素が付帯しています。

 

因みに講座実習では参加者の皆様には「墨を磨る」ところからスタートします。

(書道書育の心得)